論文紹介 『ブラジルでよく消費される牛肉について:価格と代謝プロファイル』

Andressa Kuhnen Silva et al.: “The most consumed beef cuts in Brazil: Prices versus metabolic profile” Journal of Food Composition and Analysis, Vol. 115 (2023), 104860

•Chemical composition and prices of high- and low-preference beef cuts were compared.

•Lower prices do not mean lower nutritional value of beef cuts.

•The chemical composition could add value to some rejected beef cuts.

•Chuck under blade cuts presented higher contents of energy metabolism compounds.

•1H HR-MAS NMR to determine the metabolic profile of the beef cuts most consumed in Brazil.

Journal of Food Composition and Analysis Vol.115 104860, Highlightsより

注目すべきは2番目の項目。”安価な肉は低栄養価であるわけではない”

”肩肉はエネルギー代謝成分が多く含まれる” というのも勉強になった。Abstractには、Chuck under blade cutsはone of the least expensive meat cuts analyzedとあるので、肩肉はあまり高くないのだろう。牛肉の適正価格についての常識がないので、これも勉強になる。

一番勉強になったのは、HR-MAS NMRという分析手法があるということ。確信を持てないが、きっとこちらの分析手法に違いない。つまりNMR(核磁気共鳴分析)で組成を分析しているのだな。

MAS(マジックアングル試料回転)と組み合わせることで不均一な組成をもつ試料も分析できるというわけだ。


残念ながら論文本誌は購入が必要で、これ以上は読み込めなかった。

サンプリング数は妥当なのだろうか?

精肉会社を恣意的に選んでいないだろうか?

など疑問が生じるが、それは本文に記載されていると期待しよう。

でも、HighlightやAbstractだけでもこれだけ勉強になるのだから、論文を読むのは楽しい。

論文や論文雑誌がもっと皆さんの身近なものになれば、と切に願う。


筆者はこれまで食品関連のジャーナルに触れたことがそもそもない。色んなジャーナルがあるものだ。

このジャーナルは食品の組成とか分析方法に関する論文を集めているらしい。

Impact Factorは4.52。いいじゃないか。

というか、Impact Factorについてもいつかまとめよう。

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