学会と聞くと、お堅くて閉ざされたイメージがあると思う。
その道の専門家が喧々諤々の議論を交わしている。そんなイメージ。
でも本当はすごくオープンな場なんです。参加費を払えばだれでも参加でき、最新の研究成果を聞くことができるのです。
でも学会や論文は、専門性が高すぎて、一般人にはついていけない。
そこで、学会キュレータとして面白そうな学会や論文を紹介し、専門知識を一般化していこうと思う。
今日、紹介するのはこちら。子供が大好き、恐竜についてはこちらの学会に最新情報が集まります。
日本古生物学会は,古生物学およびこれに関連のある学問分野の進歩・普及をはかるために,1935年(昭和10年)に設立されました.それ以来,約85年にわたり,国内外の多数の学会員の努力に支えられて,本学会は日本における古生物学研究の軸としての役割を果たし続けてきました.現在では会員数が1,000名をこえ,古生物学のさまざまな分野にわたって国際的に評価の高い研究活動がおこなわれています.その一方で,間口や底辺が非常に広いのも日本古生物学会の特徴のひとつです.化石や古生物学に興味を持つ人なら誰でも入会する資格があります.実際,日本古生物学会が主催する年会や例会(=学術講演会)には,大学,博物館,研究所のスタッフや学生ばかりでなく,学校の先生,会社員,農家,漫画家など古生物に興味を持つさまざまな人が数多く参加し,活況を呈しています.古生物学会への入会をご希望の方は入会案内をご覧ください.多くの方の参加をお待ちしています!
日本古生物学会HP 日本古生物学会の沿革より
すでに専門家以外に門戸開放しているなんで、すげーよ、日本古生物学会。
日本古生物学会は古生物学研究の発展・普及のために学術大会(年会・例会)の開催,学会誌(英文誌,和文誌など)の刊行などの事業を行っております.
日本古生物学会HP 学会の活動内容より
例会(1月)と年会(6月)の年二回の学会発表があって、それらの成果を論文にまとめたものを英文誌(Paleontological Research)を年4回、和文誌(化石)を年2回発行しているのだそうな。
この雑誌、すごく面白い。
竜脚類の中にMacronariaというクレード名があるが,macr(o)-は大きいとか広い,narisは鼻腔で,つまり広鼻類と訳せば,「鼻の穴が大きいグループなんだ」とすぐ理解できるのに,それをカタカナで「マクロナリア類」と書かれても「?」なのである.
富田幸光ほか ”恐竜類の分岐分類におけるクレード名の和訳について” 化石 Vol.108, P.23-35 (2020)
つまり、この論文は和名のネーミングに疑問を呈しているわけだ。
このほか、専門家じゃなくてもとっつきやすい話題も多く、おすすめの学会です。
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